スクールソーシャルワーカー
2010.12.09 Thu 21:26
…議会で導入を要望
小学校4年から中学3年までに、「いじめられたことがある」という子どもと、「いじめたことがある」という子どもがそれぞれ9割に上ったことが今年の夏場に実施された、文部科学省の国立教育政策研究所の調査で分かっています。
また、不登校ですが、文部科学省の学校基本調査によると、2009年度の小中学生の不登校は12万2432人。08年度以前から不登校が続いている児童生徒は小学校で不登校全体の40%、中学校で51・4%を占め、長期化傾向も続いています。
いじめや不登校など、深刻な問題を抱えている児童・生徒や、その家庭に対して専門的な対応で解決をめざす「スクールソーシャルワーカー(SSW)」が今、注目を集めています。
SSWとは、20世紀初めに米国で生まれました。教育制度の中に福祉の視点を導入したもので、児童・生徒が抱える問題をサポートするものです。
ひと口に「問題」と言っても、その背景には児童・生徒が置かれた、さまざまな環境が複雑に絡み合っています。そのため、(1)児童相談所など関係機関との連携や調整(2)学校内でのチーム体制の構築(3)家庭や友人関係への働き掛け――などを行い、子どもたちが抱える問題の解決に取り組まれます。
欧米を中心に多くの国で導入されているこの取り組みは、いじめや不登校問題の解決に成功した例もあり、さらに児童虐待防止でも一定の成果を挙げており、国内でも導入する自治体が増えつつあります。
かねてから地域を挙げて学校を支える体制づくりの必要性が強調されているなか、SSW配置の積極的な推進について取り上げました。